「仕事にキャリア、このままでいいのかな…」そんな思いが頭をよぎること、ありませんか?いざ転職を考え始めると「手に職をつけたい」「安定した業界で働きたい」という希望はあっても、どんな道を選べばいいのか悩んでしまいますよね。
実は今、物流業界が大きな転機を迎えています。
私たちの生活を支える物流の仕事は、ネット通販の普及でますます需要が高まる一方、働き手が圧倒的に足りていません。
つまり、未経験からでもチャレンジしやすく、しかも長く安定して働けるチャンスが広がっているということです。
物流業界には比較的短期間で取得できて、すぐに仕事に直結する資格がたくさんあります。
しかも、一度取得すれば全国どこでも通用する、まさに「食いっぱぐれない」スキルばかりです。
今回は、未経験からでも狙える物流系資格を5つ厳選してご紹介します。
これから転職を考えている方にとって、具体的なキャリアの選択肢が見えてくるはずです。
1. 中型自動車免許:キャリアの入口を広げる第一歩
普通免許しか持っていない方にとって、中型免許は物流業界への扉を開く最初の一歩です。

中型免許で運転できる車両とは
中型免許があれば、車両総重量11t未満・最大積載量6.5t未満の車両を運転できます。
具体的には、4tトラックや6tトラック、マイクロバスなどがこれに該当します。
ここで少し補足すると、「4tトラック」という呼び方は、最大積載量(荷物を載せられる重量)がおよそ4tという意味。
車両総重量はそれに車体の重さなどを加えた数字になります。
配送業務の主力車両がこのサイズであるため、求人の選択肢が一気に広がります。
取得までの道のり
普通免許を持っている方が中型免許を取得する場合、教習所での講習時間や費用は、取得済みの免許の種類や取得時期によって異なります。
たとえば、2007年以前に普通免許を取得した方は、すでに「8t限定中型免許」という扱いになっており、限定解除の講習のみで済むケースもあります。
「8t限定」とは、車両総重量8t未満・最大積載量5t未満という制限がついた中型免許のこと。
この限定を解除すれば、通常の中型免許と同じ範囲の車両が運転できるようになります。
一般的には、数日から数週間程度の教習期間で、費用は10〜25万円程度が目安です。
こんな人におすすめ
- 運転が好きで、体を動かす仕事がしたい方
- 地域密着で働きたい方(決まったエリアや配送先への定期配送など)
- まずは手軽に物流業界の入口に立ちたい方
2. 大型自動車免:ドライバーとしての収入を大きく伸ばせる
大型免許を取得すれば、10tトラックや大型タンクローリー、ダンプカーなどの運転可能になります。
ドライバーとして物流業界でしっかり稼ぎたいなら、大型免許の取得を検討する価値は十分にあるでしょう。
給与面での圧倒的な強み
大型免許を持つドライバーの平均年収は、中型ドライバーと比べて年間50〜100万円以上高い傾向にあります。
長距離輸送や大量輸送を担当できるため、仕事の幅も責任も大きくなりますが、その分評価も収入もしっかり上がります。
取得条件と費用
2022年の法改正により、19歳以上で普通免許・準中型免許・中型免許・大型特殊免許のいずれかを1年以上保有していれば、大型免許の受験資格が得られるようになりました。
以前は21歳以上という条件だったため、若い世代にとってはチャレンジしやすくなっています。
教習時間や費用は、保有している免許によって大きく異なります。
たとえば、免許を1年以上保有している19歳の方が大型免許を取得する場合、合計36時限以上の教習が必要で、費用は25〜45万円程度が一般的です。
こんな人におすすめ
- しっかり稼ぎたい方
- 長距離輸送や幹線輸送に興味がある方
- ドライバーとして長期的なキャリアを築きたい方
3. フォークリフト運転技能講習修了者:倉庫作業の必須スキル
物流は「運ぶ」だけではありません。
倉庫での荷物の積み降ろしや仕分け作業も重要な仕事です。

2種類の資格を理解しよう
フォークリフトの資格には、「フォークリフト運転特別教育修了証」(最大荷重1t未満)と「フォークリフト運転技能講習修了証」(1t以上)の2種類があります。
実際の物流現場では1t以上の荷物を扱うことが多いため、就職・転職を考えるなら国家資格である「フォークリフト運転技能講習修了証」の取得がおすすめです。
取得の手軽さが魅力
技能講習は合計31時間程度(2〜5日間程度)で、費用は約3万円〜5万円が一般的です。
合格率も高く、真面目に受講すればほぼ確実に取得することができます。
倉庫や物流センターでは、フォークリフト免許保持者は常に求められています。
運転の仕事が不安な方でも、倉庫内作業からスタートして徐々にステップアップしていくことも可能です。
こんな人におすすめ
- 運転よりも倉庫作業に興味がある方
- 短期間で確実に資格を取りたい方
- 体を動かす仕事が好きな方(女性も活躍中!)
4. 貨物運行管理者:物流現場をマネジメントする専門職
運転以外の道で物流業界に携わりたい方や、マネジメント志向の方に最適なのが、貨物運行管理者の国家資格です。
物流の司令塔としての役割
貨物運行管理者は、トラックの運行計画の作成や、ドライバーの健康管理や安全指導を行う、いわば物流現場の管理職です。
法律で一定数以上のトラックを持つ事業者には配置が義務付けられているため、需要は安定しています。
最近は運送会社のDX化も進んでおり、ITツールを使った効率的な配車管理や運行管理が増えています。
デジタルスキルと物流知識を組み合わせれば、さらに活躍の場が広がるでしょう。
受験資格と合格率
受験資格を得るには、1年以上の実務経験または国土交通大臣認定の基礎講習を修了する必要があります。
試験は年2回実施され、合格率は30〜35%程度。
しっかり勉強すれば独学でも十分合格可能です。
こんな人におすすめ
- マネジメントに興味がある方
- ITスキルを活かして働きたい方
- 物流業界で管理職を目指したい方
5. 玉掛け技能講習修了者:建設・製造現場でも活躍
玉掛けとは、クレーンで荷物を吊り上げるときに、ワイヤーロープやチェーンを荷物に掛けたり外したりする作業のことです。

汎用性の高さが魅力
この資格の強みは、物流だけでなく建設現場や製造業、港湾作業など幅広い業界で活用できる点です。
重量物を扱う現場では必須の資格であり、持っているだけで仕事の選択肢が大きく広がります。
取得のための期間は3日間(15〜19時間程度)が一般的で、費用は2万円〜4万円程度です。
クレーン資格とのセット取得がおすすめ
玉掛け作業だけでなく、クレーン車を運転するためには「移動式クレーン運転技能講習」などのクレーン運転資格も必要です。
両方の資格を取得すれば、クレーン作業全般を一人で完結できるため、就職先の幅がさらに広がります。
こんな人におすすめ
- 物流以外の選択肢も残しておきたい方
- 港湾や大型物流センターで働きたい方
- 複数の資格を組み合わせてスキルアップしたい方
資格取得で人生が変わる。まずは一歩踏み出そう
物流業界は今、働き方改革の真っ只中。
労働環境の改善が進み、女性や若い世代も活躍しやすい職場が増えています。給与水準も見直され、キャリアアップの道筋も広がってきました。
資格取得にかかる費用についても、就職先によっては入社後に資格取得費用の一部や全額を補助してくれる制度を設けている企業が増えています。未経験からのスタートでも、会社のサポートを受けながらスキルアップできる環境が整ってきているのです。
転職を考え始めたら、まずは一つ、資格取得に向けて動き出してみるのはいかがでしょうか。
ネットで調べる、教習所のパンフレットを取り寄せる、それだけでも未来への第一歩です。
物流業界は、あなたの挑戦をお待ちしています。
