ートラックドライバーになったきっかけは?
農上志信さん(以下、農上):以前、お弁当屋さんで働いていたときに、接客と合わせてワゴン車でお弁当の配達を行っていました。たまたま募集があったので働き始めた職場でしたが、配達をしていると、今まで知らなかった道を通ることや色んな人と出会えることに面白さを感じるようになりました。決して日々同じことの繰り返しではないことに惹かれたのだと思います。
家庭の事情で一度、違う職種に転職したのですが、姉が国広倉庫運輸で以前から働いていたことでご縁をいただきました。配送する商品はお弁当から消耗品と大きく変わりましたが、車の運転も好きでしたし、色々な人に出会えるトラックドライバーの仕事が自分に向いているのではないかと感じました。
ートラックドライバーとして日々、どのような業務に就かれているのですか?
農上:国広倉庫運輸は食品共同配送事業、精密機器関連の配送事業を展開する会社です。私はコピー機に代表される精密機械などのトナーや、20㎏のコピー用紙などをお客様に届ける部署に所属しています。
以前働いていたお弁当屋さんでの配達は、商品をお渡ししたらありがとうございますと言ってすぐ帰る事が多かったのですが、現在の仕事では、実際はご要望に応じて、お客様のオフィスに上がり、部品の交換などをお手伝いすることが結構あるんです。
特に、女性スタッフの方から「トナーの交換方法が分からないから教えてほしい」とリクエストされ、説明しながら対応すると、「女性の配送員が来てくださって助かりました、ありがとう」「分からないことだったから教えてもらえて嬉しいです。」など言っていただけることも多く、やりがいを感じます。お客様からの笑顔が何よりのご褒美だと日々実感します。ただ配送するだけではなく、お客様とのコミュニケーションスキルが求められる仕事だとなと思います。
国広倉庫運輸で働き始めて約8年ですが、昨年、運行管理者の資格を取得し、配車係を兼務するようになって1年ほど経ちました。配車係というのは、物流の偏りが無いか、作業内容や、距離などを考慮してドライバーへの配達指示、調整を行う仕事です。クレームやトラブルの対応、運行状況の確認、運転日報や伝票の確認、入館証や端末機の管理も業務内容に含まれます。
ドライバーはそれぞれ担当のコースがあるのですが、特定の人に業務量が偏らないように、翌日分の配達伝票を確認しながら、ある程度均等に振り分ける調整を行います。皆さんの体調管理なども配車係の仕事のうちで、顔色や疲労、心配事は無いか、日々コミュニケーションを密に取るようにしています。
現在、消耗品の配送を行うドライバーが10名いるので、ひとまず伝票を全員に割り振って、偏りがあれば、「Aさんには昨日、遠方まで行ってもらったから、明日はこのエリアはBさんにお願いしよう」という感じです。まだこの業務には慣れなくて、皆さんにたくさん協力してもらっています。
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(text by Yuka Shingai)