ートラックドライバーになったきっかけは?
佐々木裕太さん(以下、佐々木):元々、車が好きで、長らく車関連の仕事をしてきました。前職は車の製造工場で働いていましたが、コロナ禍で随分仕事量が減ってしまったこともあり転職を考えるようになりました。知人が元気ジャパンで働いていたので、どのような仕事をしているか聞いてみたところ、僕も働いてみたいなという気持ちになりました。前々からドライバーの仕事にも関心があったので、せっかくだからやってみようと応募しました。
実はその時点では大型免許を取得していなかったので、前務めていた会社を退職してから教習所に行ったんです。車の運転は好きなので、きっと大丈夫だろうと思っていたのですが、いざ乗ってみると「これ、大丈夫だろうか」と感じました。目一杯大きな車を動かすので最初は怖さもありましたし、後ろも見えない状態で、普通車との違いには驚かされました。入社から2週間くらいは先輩に助手席に乗車してもらって練習を重ねて徐々に独り立ちしました。最初はとても緊張しましたが、やはりやってみたい仕事なので頑張ろうという気持ちは強くありましたね。
ー現在はどのような業務を担当されているのですか?
佐々木:大型の平車と呼ばれる、荷台がフラットな車両で鋼材や鉄骨など資材を配送するのがメインの業務です。物によっては何十トンにも及ぶ製品を運ぶので、車両そのものがとても重くなり、坂道や高速道路でもなかなか速度を出すにはパワーが必要です。先輩からはオーバーハングや内輪差を意識して運転することや、シートがけなど基本的なことをしっかりと教えてもらいました。また、僕の担当している業務はフリー便といって、毎回荷物や配送する場所が異なります。最初のうちは毎回違う業務に慣れるのに必死ですが、今は「この荷物は、前回とも似ているな」と考えられるようになってきたので、何事も経験だなと思っています。
長距離の場合は県外へ行くことも多く、有名なお店の看板などを運ぶこともあるのですが、近隣に住む友人に「あの看板は僕が持っていったものなんだよ」なんて言えることが結構嬉しかったりしますね。CMで「地図に残る仕事」というキャッチフレーズを聞いたときに、僕の仕事もそうだよな、とやりがいを感じました。
ーこれまでに乗り越えるのが大変だったハプニングなどはありますか?
佐々木:これまで大きなトラブルは経験していないのですが、2年ほど前に九州で大雪が降ったときは様々な場所で通行止めが発生して、その場から動けないことがありました。僕もそれに思いっきりハマってしまったので、岡山まで帰ってくるまで丸1日かかってしまいましたが、荷物を届けた後の帰りだったことは幸いです。ただ、僕が入社した頃にはコンプライアンスも整っていて、どんな事情があっても荷物を期日までに届けないとダメだと叱咤される雰囲気というのは今はないんです。もしかしたら昔はもっと厳しかったのかもしれませんが、今の方が状況が良くなっていることもあるとは思いますね。
ー元気ジャパンさんで初の男性育休を取得されたそうですね。
佐々木:現在、3歳の娘と1歳の息子がいます。息子が生まれる前から、1か月ほど育児休業を取得しました。まとめて休みを取れるだろうかという疑問はあったのですが、法改正も進んでいたこともあって会社にちょっと相談してみようかと打診してみると、特に問題なく受け入れてもらえました。元は妻から「育休を取れないだろうか」と相談されてのことでしたが、産後1か月は本当に慌ただしいですから、僕も一緒に子育てができて本当によかったと思っています。
娘はお喋りや走り回ったりも十分できるので、休みの日は公園で遊んだり、時々、車の集まりに連れていったりもします。子どもと過ごす時間が今はリフレッシュになっていますね。
ー今後目指す目標はありますか?
佐々木:現在はまだけん引免許を取得していないので、これから挑戦したいです。やはりこの仕事をするからにはトレーラーを動かしたいなと思っています。僕自身も運転が好きで、この仕事に就いたので、同じように車が好き、運転が好きな人にとっては天職だとも思います。同じ会社の同僚だけでなく、他社のドライバーも同じ仲間という意識を持って仕事をしているので、同じ志を持つ人が増えたら嬉しいですね。
(text by Yuka Shingai)