ドライバー一人ひとりに裁量があることが仕事の魅力【株式会社元気ジャパン 小坂 歩さん】

ートラックドライバーになったきっかけは?

小坂 歩さん(以下、小坂):祖父がトラックの修理工で、幼少期から遊びにいくとトラックがたくさん並んでいる光景を目にしていたため、常に存在を身近に感じていました。現在息子が小6、娘が小2で、息子が小学校に上がるタイミングで山口市に引っ越してきたのですが、山口市は運送会社の求人が多いこともあり、いい機会かもしれない、乗ってみたいなと考えるようになりました。

以前から、買い物や、県外に行くのにも車は運転していたのですが、ひとまず大型の免許がないことには始まらないと思って、会社の面接を受ける前に教習所に通いました。ただ、当時はAT車の免許しか持っていなかったので、まずミッションの仕組みを理解するのがすごく難しくて時間がかかって…。教習所の先生にも「あなたはAT車のトラックがある運送会社を選んだ方がいいかも」とアドバイスを受けました。

元気ジャパンは、HPに載っているトラックがすごくカッコよかったので、「ここで働いてみたい」とピンときました。「何となくここならAT車のトラックもあるんじゃないかな」と想像して、自分から電話をかけて面接を受けました。読みが当たってよかったです(笑)

ただし、子育てをしながら仕事をすることになるので、子どものお迎えなどで働ける時間に制約があることはあらかじめ伝えておきました。「この時間までには終業したい」と希望を言ったら、採用されないかも…と思わなかったわけではありません。ですが、初めて運送会社で働くわけですし、自分と会社の間に齟齬がないようにしたいとは思っていました。それで難しいようだったら「損はさせないように頑張るから採用してほしい」と強くアピールするぞという気持ちはありました。社長を始めとした皆さんが、とても理解があって、私のやる気を買ってくれたので、本当に感謝していますね。

未経験の業界ではありましたが、やりたい!という気持ちがありきで、特に誰かに相談するわけでもなく働き始めることになりました。親には「そういえば、仕事が変わったんだよ」と事後報告のみで、子どもたちには事前に「仕事が変わるから、これからは朝少し早く出るよ、だから早起きを頑張ろうね」とだけ伝えました。子どもたちはすんなり理解してくれましたね。

ー仕事のやりがいや面白さについて教えてください。

小坂:ドライバーの仕事を始めた頃、印象に残ったのは、トラックに荷物を積むときには緩衝材を配置するとか、確認作業を怠らないとか、運転以外にもすべきことがたくさんあるということでした。運転して配送すればいい、という簡単な話ではない一方で、ドライバー一人ひとりに裁量が与えられているなとも感じました。

もちろん、その時間までに業務を終わらせる、というスケジュールやルールはある程度ありますが、運転している間に好きな音楽を聴けるとか、途中でコンビニに寄るとか、自分で時間を工夫する自由もあるんです。そこが自分にはすごく合っていて、他の仕事はもうできないかもと思ってしまうほどですね。

また、私は決まったお客さんのところに伺うことが多いので「また来てね」と言ってもらえるとすごく嬉しいですね。リフトマンの方と仲良くなって、世間話をして、他愛もない話で笑って…みたいな日々の積み重ねがすごく楽しいです。女性のドライバーは大変というイメージもあるかもしれないし、力仕事ではなかなか男性には敵いませんが、逆に少ないからこそ重宝してもらえることも多いですし、皆さんとても優しいですよ。

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(text by Yuka Shingai)