有限会社吉部運送で31年のキャリアを持つ田原哲博さん。
長年現場を見てきたベテランドライバーだからこそ語れる、働き方改革による変化と、会社の「ゆとりある働き方」への取り組みについてお話を伺いました。
トラックへの憧れから始まったドライバー人生

―ドライバー歴について教えてください。
吉部運送ではドライバーとして入社し、勤続31年目を迎えました。
入社前は配達の仕事をしていたので、ドライバーとしての経験は長く積んできました。入社当初は中型トラックでしたが、現在は大型トラックに乗務しています。
トラックドライバーに憧れてこの仕事に就いたので、日々やりがいを感じながら業務に励んでいます。
吉部運送では1人1台のトラックが与えられるため、きれいで自分好みのトラックに乗って仕事ができることにとても満足しています。
ゆとりを生む計画的な運行体制

―現在の勤務時間と1日のスケジュールを教えてください。
季節によって仕事内容が変わりますが、夏は13時頃に出勤してアルコールチェック、点呼、日常点検を済ませ、野菜や果物などを輸送します。
選果場でフォークリフトを使って積込みを行い、事前に組まれた運行スケジュールに沿って福岡、広島、山口県内の各青果市場に運びます。
15時頃に出発し、22時~23時頃の帰社となります。
運送業界では、「4時間運転したら30分休憩する」という法律で定められたルールがありますが、吉部運送では社内ルールで2時間以内に15分程度の休憩を取らなければなりません。
そのため、運転時間が2時間を超えないあたりで必ず休憩を取るようにしています。
30年で見えた働き方の劇的な変化

―2024年の働き方改革以降で、「変わったな」と感じることはありますか?
以前は、荷物を一つ一つ手作業で積み降ろしすることに時間がかかり、さらに高速道路を利用せずに下道を走っていたため、日付が変わって帰ることが多くありました。
しかし、今ではパレット輸送が基本になり、高速道路利用も増えたため運行時間が大幅に短縮されました。休憩時間や運行終了後の休息時間も十分に取れるようになっています。
また、長距離の仕事では、どのサービスエリアで休憩するかまで記載された緻密な運行指示書があり、計画的に休憩を取ることができます。
さらに、トラックの洗車券が定期的に支給されるようになったこともありがたいです。
夏場や冬場の洗車は重労働ですが、その業務負担が軽減されたことで心身共に楽になり、トラックも清潔に保たれています。
少人数だからこそ生まれる助け合いの文化
―吉部運送で働いていて、「安心できるな」と思うポイントはありますか?
吉部運送の仕事は3部門に分かれており、各部門あたり10人以下の少人数で構成されています。
社長と社員、社員同士の距離が近いことから、団結が強く、助け合う文化が根付いているのが特徴です。
車両の故障があれば誰かが必ずサポートに入ってくれますし、災害による大渋滞が発生した際は、たまたま近くを通りかかった別の社員が差し入れを持ってきてくれることもありました。

また、2年ほど前からタイヤ交換は全て社内で行うようになりました。
大型トラックのタイヤ交換は重作業ですが、皆で協力して作業しています。
作業に関わった場合は、会社がタイヤ交換手当をつけてくれるため、緊張感と責任をもって取り組んでいます。

時代とともに進化する「ゆとりのある働き方」
今でもきついと思う仕事はありますが、バラ積み・バラ卸しから効率的なパレット輸送へ、下道から高速道路利用へ、そして洗車券の支給など、会社は着実に「ゆとりのある働き方」になってきていると思います。
30年以上この会社と共に歩んできたからこそ、この変化の大きさと意義を実感しています。
最後に田原さんからメッセージ。
「同年代が多いので、若いドライバーが入って欲しいですね。吉部運送ならかっこいいトラックで仕事ができますよ!わたしはこの会社のトラックに乗りたくて入社しましたから。」
これまで3回にわたって吉部運送の「ゆとりのある働き方」をお伝えしてきました。
管理者の配慮、未経験女性ドライバーの安心、そしてベテランドライバーが実感する変化。
それぞれの視点から見えてきたのは、従業員一人ひとりに「ゆとり」を持たせることで安全性と働きやすさを両立させる、新しい物流業界の姿でした。
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