仕事も家庭もどちらも大事。協力し合える従業員にも感謝の日々です【株式会社倉橋商事 佐藤麻衣代表取締役社長】後編

株式会社倉橋商事 佐藤麻衣代表取締役社長インタビュー後編です。2人のお子さんを育てるママでもある佐藤さんに、仕事とプライベートの両立や、従業員の皆さんへの感謝などを語ってもらいました。

インタビュー前編はこちら

ー多忙な中、プライベートはどのように楽しんでいますか?

佐藤麻衣さん(以下、佐藤):6歳と2歳の子どもがいるので、成長を見られることが今は楽しみです。社長に就任してから、下の子を出産したので、夫に1年間育休を取得してもらい、私は早く職場に復帰しました。

とは言っても、授乳や夜泣きもあるので、最初の内は昼から出社して、体が慣れたらフルタイムに戻して…という感じです。育児・介護休業法が2023年の10月に改正されたのもあり、国として働きやすい環境を整えてくれていることにも感謝していますし、保育園や病児保育、会社のみんなにも助けられています。周りからも、子どもが生まれてから、柔軟になったとか雰囲気が変わったと言われることが結構ありますね。

ーお子さんが生まれたことで、仕事への向き合い方に変化はありましたか?

佐藤:もちろん仕事はしっかりやりますが、それでも子どもという融通が利かない存在を目の前にすると何もかも、きっちりはできなくなりますよね。

ですから従業員にも家族を大事にしてね、運動会や何か用事があったら心置きなく休んでねと話しています。

私自身は、子どもを育てるためだけに働いているわけではなく、仕事が楽しいから働いています。でもやっぱりどちらが欠けてもダメだと思いますし、子どもの存在があるから仕事を頑張れる部分は大きいです。

自分も含め、働く人にとって、子どもがいることが不利益になるのが一番良くないと思いますし、今後より女性が活躍できる社会にしていきたいなら、会社がいかに理解できるかが重要なポイントになってくるんじゃないかなと思っています。

ー経営される立場の方が、そうおっしゃってくれることが、現場の皆さんにも励みになると思います。

佐藤:我が家は、夫が出張が多いのと、母が会長職で今も仕事をしているので、夜、子どもを預けて…というわけにもいかないんですよね。ですから懇親会などには子どもを連れていきますし、従業員にも連れてきてくれていいですよと伝えています。

ありがたいことに、私も朝はゆっくりさせてもらっていますし、点呼も運行管理者と分担しながらやっています。私がいない間も、ちゃんと仕事が回る状態になっているので、従業員のみんなには本当に感謝していますね。

ー協力し合うことで、様々な境遇の人たちが活躍できる職場になっているんですね。

佐藤:運送業といっても当社は大きな荷物を手で運ぶような仕事ではないので、そこまで重労働はないんです。もし、体力的に厳しい場合には、その仕事は女性を外すなど適切な配置を考えれば、誰でも働きやすい環境は実現できると思います。

最近も、「大きなトラックに乗りたい!」と教習所に通い、免許取得した女性が2人入ってくれました。彼女たちも子育て世代ですが、これから活躍してくれることを期待しています。

運転免許を取るにも費用がかかりますから、特に若い方だとなかなか踏み出せない…ということもありますよね。それでも、費用を負担してくれる会社もありますし、経営者や事業者側も積極的に発信していくことで、若い方の雇用に繋げていければいいなと考えています。

(text by Yuka Shingai)