ートラックドライバーになったきっかけは?
柴崎 裕史さん(以下、柴崎):30年ほど前に就職氷河期世代があって、私はまさに通称ロストジェネレーションと言われるはしりの世代です。予定ではIT関連の仕事に就く予定でしたが、一転して運送業界に入りました。元々、車の運転は日常的にしていたので、縁があって…という感じですね。
日頃は自動車の部品を配送していますが、リリーフ便も担当しているので、他のスタッフが休みのときや、何か要請があったときには、他の荷物を配送することもあります。
ー長年ドライバーを務めてきた中で、特に重要だと感じたことは何かありますか?
柴崎:大型のウイング車の荷物は、主にパレットに載った荷物をフォークリフトで積込みするのですが、長年の経験もあって、この作業には自信があります。ただ、それは自然にうまくなったということではなくて、何度も失敗して、時には荷物事故を起こして、その度に報告して、反省して改善してきたということです。
事故を起こさないように、他のスタッフに「そのやり方だと危ないよ」と声をかけることもありますし、声がけだけでは改善しないようであれば、手本を見せることもあります。全員が緊張感をもって作業に臨むことが重要です。
失敗はつきものなのですが、この仕事をする仲間全体にもっと分かってほしい事があります。
それは、その失敗経験を活かして失敗した本人の技術が向上するだけではなく、その失敗経験を社内の仲間で共有することで、事故を起こしていない人達にも勉強になるという事です。もっと注意するべきだった点、その失敗による影響、損害額など…。あ、この共有は管理者側の仕事ですね。
その他は、当たり前のことですが、トラックの点検は欠かせません。例えば、タイヤに異物が刺さっている事に気付くのが遅れると、パンクにより予定時刻に間に合わない事も考えられます。早期発見できれば適切なタイミングで修理交換が可能ですから、トラブルを回避できます。
フォークリフトで積込みする荷物は荷姿が均一ではなく、不安定な状態な事もよくありますが、荷物の積込み順などを考えて、荷台全体を安定した状態にして、積込みを完了できると気持ちがいいんです。安全に荷物を運べることを最優先に考えて、日々業務に取り組んでいます。
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(text by Yuka Shingai)